2021年5月18日、EBI(エンタテインメントビジネス総合研究所)は、コロナ前に比べパチンコの玉単価が10%あがっていると発表した。
6号機の客付きが芳しくなく、それを補填するためにパチンコの玉単価をあげているのでは、と指摘。これにより稼働が悪くなることを懸念している。
荒川主任研究員は、遊技台データと遊技客データを融合するグローリーナスカの「遊動」をもとに、4パチの玉粗利の推移について、「パチスロの粗利分をパチンコで補填している状態。『ミリオンゴッド-神々の凱旋-』の撤去後から上昇傾向で、現在は28銭と、コロナ前より10%以上、上がっている」と解説。玉単価も1.7円とかつてないほど高くなっているとし、「パチスロ客が流入したとしても、肝心のアウトが伸びなくなる」
6号機の不人気が経営を悪化させている可能性は高いが、使い方次第では稼働の戻りが早くなると株式会社エスサポート代表取締役の三木貴鎬氏(以下、三木氏)は提唱する。
三木氏によれば稼働の戻りが早かったホールは高設定をしっかり使い、平常時でも高設定がある、と客にアピールしていたそうだ。
コロナ前のように粗利をとろうと低設定を増やしてしまうと、ホールにとって重要な常連客が競合店に流れてしまい、かえって粗利が取れなくなるという。
稼働の低い日に来店してくれるユーザーこそが本来の常連客であり、自店にとっていいお客さんのはずです。そのユーザーに還元しないことで、常連客が減少し、ゆくゆくは競合店への流出につながります。こうした負のサイクルは避けなければいけません。
また、コロナ禍で落ちた粗利を無理やり取ろうとしていることで、稼働が戻らないホールも多いようです。
三木氏はコロナ前に稼働が戻ったホールの事例も紹介しており、特定日と平常日の高設定の使い方について言及している。
※営業開始後3度の特定日があったホールの事例
営業再開以降、特定日が3度あったが、その3日間は無理に出しすぎず、平常日の高設定が使える余力を残した運用を心掛けた。旧イベント日の稼働は、目立つ全台設定6などを行えば、いつでも上げることが出来るので無理に出さずに今に至っている。
このホールはこうした戦略がはまりコロナ以前よりも状況が良くなりました。
三木氏が提唱する高設定の使い方が必ずしも正解というわけではないが、稼働が戻っているホールがあることは事実である。
高設定の使い方次第で、6号機によるパチスロの客離れも食い止めることが出来るため、パチンコで粗利を過度に補填することもなくなるのではないだろうか。
コロナ前に稼働を戻したいのはどのホールも同じであろう。だが、目先の粗利を追いかけてしまうと客離れが加速する可能性は否定できない。
設定の入れ方やパチンコの玉単価の見直し、さらには分煙や換気、清掃といった遊技環境を整えることが、常連客の流出を食い止め、リピーター、さらには新規ユーザー獲得に繋がり結果、稼働が上がるのかもしれない。
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