パチンコ・パチスロ情報島の調査によれば、加熱式たばこを吸いながら遊技できるエリアorフロア(以下、加熱式たばこエリア)は全国で988店舗となったことがわかった。(2021年3月31日時点)
パチンコホールの禁煙化からちょうど1年が経過した今年3月31日時点の「パチモク」に登録されている加熱式エリア設置店舗数は下表の通り。全国で988店舗あり、都道府県別の内訳を見ると、東京都が最も多く254店舗となっている。弊社DBに登録されている都内のパチンコホール数は672店舗であり、設置比率は37.8%に上る。
パチンコ店の屋内全面禁煙から1年、加熱式タバコエリア設置店は988店舗に
昨年2020年の4月の段階では、加熱式たばこエリアは全国で59店舗であったことから1年間で約17倍もの加熱式たばこエリアが設置されていることになる。
今回、実施した調査の中で遊技しながら加熱式たばこを吸うことができる「加熱式たばこエリア」または「加熱式たばこフロア」を設置したパチンコホールは全国で59軒あった(※4月5日時点)。都道府県別での内訳は、岩手県1店舗、宮城県1店舗、福島県2店舗、茨城県5店舗、埼玉県6店舗、千葉県6店舗、東京都21店舗、神奈川県4店舗、岐阜県1店舗、愛知県3店舗、三重県3店舗、滋賀県1店舗、大阪府3店舗、奈良県1店舗、福岡県1店舗となっている。
「加熱式タバコ」を吸いながら遊技できるパチンコ店は全国で59軒 ~編集部調べ
パチンコホールが1年余りで大きな変化を成し遂げた理由の一つが加熱式たばこエリアを設置したことで喫煙者の来店頻度が増えたことと推測できる。
増加が続いている「加熱式たばこエリア」設置店舗における遊技動向では(月1回以上遊技し、コロナ禍でも来店意欲のある遊技者を対象)、来店頻度に関して加熱式たばこ喫煙遊技者の30.6%が「増えた」(「増えると思う」も含む)と回答。
加熱式たばこ喫煙遊技者の3割が「来店頻度が増えた」 ~「加熱式たばこエリア」設置パチンコ店での遊技動向
ちなみに加熱式たばこエリアを設置する際は複数の条件があり、運用面においても、公示する際の費用面においてもホール側にとって大きな負担となるので簡単に設置することはできない。
店内に加熱式たばこエリアを設置する際は、「入口風速0.2m/秒以上」「壁・天井等による区画」「屋外又は外部の場所に排気」といった技術的基準に加えて、「喫煙することができる場所である旨」「20歳未満の者の立入を禁止している旨」を記載した標識の掲示、そして20歳未満者が立ち入っていないかのチェックなど、ハード面・運用面における様々な対応が求められる。また、喫煙ブースの設置よりも大がかりな工事が必要なこともあり、加熱式たばこエリアの導入はあまり進んでこなかった。
営業再開後も「加熱式たばこ」が吸えるパチンコ店が増加、直近2カ月で76%増の127店舗に
※より詳しい設置条件などはこちらを参照ください。
https://www.nichiyukyo.or.jp/news/news.php?news_id=1023
パチンコ遊技者の喫煙率は約55%(2020年4月時点)で、この喫煙者をどのようにして来店させることができるかが稼働をあげるために重要となってくると思われる。
同調査(速報値)によると、上述の通り、遊技者の喫煙率が55.1%。遊技状況別では、パチンコ遊技者の喫煙率が56.3%、パチスロ遊技者の喫煙率が60.4%となっており、パチスロ遊技者のほうが喫煙率の高い結果となっている。
また調査対象者全体(遊技参加の有無を問わない)の喫煙率は19.4%、非遊技者の喫煙率は15.2%。一般的な国民の平均値に比べ、遊技者の喫煙率の高さはこれまでも知られていたことだが、今回の調査でもその傾向に変わりはなかった。
2018年(調査が2018年で終了しているため)の厚生労働省の発表によれば喫煙者は減少傾向にあるが、パチンコユーザーの喫煙率は依然高いままである。
最新たばこ情報|統計情報|成人喫煙率(JT全国喫煙者率調査)
今の時代とは逆行していることは否めないが、お客様を確保するためにも加熱式たばこエリアを設置することは投資するのはホールを運営するうえで必要経費と捉えるのがいいのかもしれない。