2022年6月6日、6.5号機がホールデビューした。初めて導入された6.5号機は「Sキャッツ・アイ」と「Sシリウス」で、先日「犬夜叉」が導入された。犬夜叉は導入当初から万枚報告などが散見されており、6号機とは思えない爆発力が話題となっている。
依然パチスロは不調
2022年7月5日、ダイコク電機の片瀬宏之室長(以下、片瀬氏)が「DK-SIS白書2022年版-2021年データ-」について解説した。
業界の現状は依然「パチスロの低迷を好調なパチンコが補う構図」とのことだ。
具体的な数値は下記となっており、2020年と比較したところパチンコの売上は前年比1.0兆増で、対してパチスロは前年比1.0兆減となっており、両者の差は歴然としている。
2021年の市場規模は総売上14.6兆円(前年比同)、総粗利2.39兆円(同0.4兆円増)となり、ほぼ横ばいに留まった。それぞれ内訳でみると、パチンコは売上8.2兆円(同1.0兆円増)、粗利1.41兆円(同0.16兆円増)と伸びを見せているのに対し、パチスロは売上6.4兆円(同1.0兆円減)、粗利0.98兆円(同0.12兆円減)と低迷。
パチスロは遊技時間、売上、粗利ともに減少している一方、パチンコは遊技時間は前年とかわらないものの、売上と粗利が上昇しており、ホールの運営はパチンコだよりになっていることがわかる。
この状態が続くようであれば主にパチンコユーザーから粗利を取る形となり、パチンコでもパチスロでも「勝てない」と認識し、遊技人口がさらに減少する…という最悪のパターンも見えてくる。
このことから以前のように業界を活性化させるためには、パチンコとパチスロの均衡が取れているのが理想である。
【参考】
2021年の市場規模、総売上14.6兆円、総粗利2.39兆円で横ばいに留まる
大手ホールが一番導入しているのは犬夜叉?
遊技人口の減少に歯止めをかける要因の一つは6号機にあることは業界人なら誰しもが考えることだろう。
6号機、6.1号機、6.2号機…と徐々に規制緩和をしたものの、いまいち振るわなかったため、6号機の使い方に頭を悩ませるホールがほとんどで、その結果閉店してしまうパチスロ専門店が相次いでいるという現象も起こっている。
ユーザーだけでなく、業界関係者から忌み嫌われる6号機だが、6月より導入されはじめた6.5号機に対する印象は今までの6号機とは異なっており、5号機の再来という声もあがっている。
とはいえ、ホールデビューして1ヶ月足らずの6.5号機にすぐさま手を出せるかといったら難しいところだろう。
そこで参考にしたいのが、大手パチンコホールの動向である。
パチンコ業界誌「PiDEA」が運営するサイト(以下、PiDEA)が大手パチンコホール「ダイナム」、「マルハン」、「キコーナーグループ」が導入した6.5号機について調査をした。
PiDEAによれば、ダイナムとキコーナは店舗数の40%以上が6.5号機を導入している一方でマルハンは38.7%と様子見の状態であることから、ダイナムとキコーナは6.5号機に意欲的とPiDEAは分析している。
ちなみに主な導入機種は「犬夜叉」「アクエリオン」が600台以上であった一方、「カバネリ」は2機種から大きく引き離され、導入台数は300台を下回っているそうだ。
まずはダイナムグループ。集計した372店舗の内、6.5号機を導入したの店舗数は159店舗、合計382台を導入。マルハンは310店舗のうち120店舗が導入を行い、803台を導入。そしてキコーナー、132店舗のうち、61店舗に導入を行い、355台を導入した。導入店舗数を割合でみると、マルハンは38.7%と様子見。微差ではあるがダイナムとキコーナーは40%を超えているため、6.5号機に意欲的とも考えられる。
【参考】
6.5号機、大手パチンコホールはどの台を買った!?
ホール的に使いやすいのはカバネリ?
アクエリオンと犬夜叉勝率低すぎだろ… pic.twitter.com/JZo25nwP2T
— へるも (@Sasami_me) July 10, 2022
7月11日、人気の3機種の勝率を掲載たツイートが投稿された。
このデータを見ると、「犬夜叉」、「アクエリオン」の勝率は横ばいだが、「カバネリ」は設定に沿ったメリハリのある勝率となっていることがわかる。
このことからコンテンツやゲーム性は「犬夜叉」と「アクエリオン」が優勢だが、ホール側が設定の調整をしやすいのが「カバネリ」であることがわかる。
設定にとらわれないためユーザー的に心配の少ない「犬夜叉」、「アクエリオン」なのか、ホール的に使いやすいカバネリを導入するのか…導入の仕方でホールの色が出てきそうだし、ユーザーも二分するかもしれない。
今までの6号機とは異なり、5.5号機を彷彿とさせる爆発力を持つ6.5号機。今後スマートパチスロも出てくるなかでどのように差別化つつも、6.5号機をどう活かすかでパチスロ業界が変わってくるのではないだろうか。
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