コロナウイルス感染拡大を防止するため、「まん延防止等重点措置」を実施することとなった宮城県だが、朝日新聞デジタルによれば5月5日までパチンコ店の営業時間を短縮することを求めているという。
宮城県の村井嘉浩知事は3日、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、仙台市内の映画館やパチンコ店、ゲームセンターなどを対象に、午後8時までの時短営業を求めることを明らかにした。期間は5日から5月5日まで。県対策本部会議で了承された。
営業時間は飲食店と同じく午後８時までとのことだが、とあるパチンコ店の従業員曰く、コロナ禍で営業が芳しくない今、稼ぎ時の午後８時に休むことは難しく、今回は要請に応じない予定だという。
【参考】
パチンコやゲーセンには協力金ゼロ 「今回は応じない」
ちなみに２度目の緊急事態宣言が発令された際、遊技業組合は３つの点での協力をパチンコホールに要請した。
①新型コロナウイルスの拡大予防ガイドラインの徹底
パチンコ業界では、4月の緊急事態宣言時の状況を受け、業界内のガイドラインの策定について、並々ならぬ努力を傾けた。既に何度も改訂されているこのガイドラインを緩めることなく徹底してほしいというお願いだ。「絶対に自店でクラスターを発生させない決意で営業に臨んでほしい」という異例とも言える言葉も添えた。
②広告宣伝の禁止
緊急事態宣言が解除されるまでは人と人との接触を削減する意味においても、店舗の外、インターネット媒体すべてにおける広告宣伝を禁止した。この通知を受けて、パチンコ店への来店イベントや取材をするライターやタレントたちも、来店等の告知の自粛を始めている。
③20時以降の看板照明やサイネージ等の消灯
安全上の問題がある通路や駐車場の灯りを除く、店舗のネオンサイン等の消灯は「確実に実施」してくれとのお願いも出された。今回の緊急事態宣言の主旨は、三密によるクラスター発生の抑制ではない。「人流の抑制」、即ち20時以降に人を出来るだけ街に出さないという狙いだ。暗がりの中で煌々と光るパチンコ店のネオンサインは不要な人流を招きかねない。
2度目の緊急事態宣言発令。各パチンコ店はどのような協力体制を取ったのか？
これを受け、ピーアークホールディングスは２度目の緊急事態宣言直後、これらの対策を徹底したうえで、午後８時以降も営業している。
1都3県でパチンコ店を運営するピーアークホールディングス（東京都）は感染対策を徹底し、ネオンの消灯や広告の自粛を行った上で、午後8時以降も営業する。担当者は「今後の国や自治体の判断次第で、対応が変わる可能性もある」。千葉市などで店を運営する別の会社の担当者は「昨年の休業要請などで経営状況は厳しくなっている。ほとんどの店が営業時間の短縮はしないのではないか」と話した。
コロナ禍で槍玉に挙げられることを承知しつつも、経営状況を鑑みての苦渋の決断と思われる。
HARBOR BUSINESS Onlineの記事によれば、2020年の1年間で全日遊連に加盟しているホールのうち、500店舗以上のパチンコ店が廃業・休業（実質的に廃業）に追い込まれたそうだ。
2度目の緊急事態宣言発令。各パチンコ店はどのような協力体制を取ったのか？
以前より言われていることではあるが、感染した場合だけではなく、職を失うことにより死に至ることも少なくない。
年明けに発令された２回目の緊急事態宣言だが、大阪が第４波に突入したのではないかと危惧されている今、延長してまで実施した緊急事態宣言の効果に対して疑問を抱く人もいる。
コロナウイルス感染拡大を防止したいのであれば、人の流れを作らないようにしなければならない。しかし営業しなければ倒産してしまうため、人の流れを作らざるをえないというのが現状ではないだろうか。このような状況で協力金ゼロで要請に協力して欲しいというのは、いささか都合がよすぎるように思う。
時短営業の要請を協力してもらいたいのであれば飲食店同様、フォローアップをしてもらわなければ対応できないし、パチンコホールがこの要請を受け入れた場合、経済がさらに悪化すれば自分たちの首を絞めることになるのではないだろうか。
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