パチンコ業界にかぎらず、社会人なら一度は耳にしたことがある言葉、一物一価の法則(いちぶついっかの法則)。
これは経済学上の用語で、パチンコ業界と深く関わりのある言葉のひとつなのです。
「一物一価の法則」とは
一物一価の法則(The Law of One Price)とは、同じ品質・種類のものであれば、必ず同じ価格で取引されるという法則のことです。
自由競争のもとでは,同じ市場,同じ時点では,同種の商品については,ただ1つの価格しか成立しないという法則。
引用:学研
例えば、日本でビックマックが1個450円、1ドル150円の場合、アメリカでは3ドルで、ビックマックの価格は同じになるということです。(ビッグマック指数)
パチンコ店での一物一価の例
賞品コーナーにあるヤクルト(40円)と交換する時は、4円パチンコであれば10玉、1円パチンコであれば40玉必要です。
4円パチンコと1円パチンコでは、賞品を交換する際の玉の数は違いますが、価格は同じ……というのが一物一価の法則です。
言い方を変えれば、4円パチンコでは10玉でヤクルトと交換できるけど、1円パチンコだと10玉ではヤクルトと交換できない(40玉必要)ということになります。
パチスロとパチンコの場合も同じです。
ヤクルト(40円)と交換するときはパチンコだと10玉で、パチスロだとメダル2枚が必要になるということです。
「一物二価」禁止の法則
一物一価に対し、1つの物に2つの価値がある「一物二価」(にぶつにか)は、市場が混乱してしまうので禁止されています。
先程の例でいうと、玉の数は同じでもレートが違う場合、同じ商品と交換することはできないということです。
※例)○4円パチンコ10玉=ヤクルト1本 ×1円パチンコ10玉=ヤクルト一本
パチンコ業界特有の概念「二物二価」
パチンコ業界には業界独特の「二物二価(にぶつにか)」という概念が取り入れられています。
これは賞品を交換する際に、パチンコ専用の賞品(金景品など)と、パチスロ専用の賞品を提供するというものです。
例えるなら、パチンコ玉ではヤクルトと交換できるけど、パチスロのメダルでは(枚数に関係なく)ヤクルトと交換することはできない。
一方パチスロのメダルではビスコと交換できるけど、パチンコ玉では(玉の数に関係なく)ビスコと交換できない……ということです。
「客が賞品を自由に選ぶことができないじゃないか!」という声もあるようですが、そもそもパチンコ店で交換できるのはパチンコ店にあるものだけですし、「契約自由の原則」からホール側が「賞品を提供する客を限定する」というハウスルールは認められるので、「二物二価」の概念は問題ないとされています。
パチンコ業界には三店方式などをはじめ、今回紹介したような「二物二価」という独特なルールがあるためグレーなイメージを持たれがちですが、考え方によっては他の業種からは考えられられない角度から法律を解釈し、オリジナルなルールを作って警察などをねじ伏せてる(言い方)ので、面白い業界と言えるかもしれません。
【参考】
遊技産業健全化推進機構ニュース
改訂第4版 よくわかる 店長のための風適法入門
【その他のPSニュース】
【パチンコ・パチスロ用語一覧】
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